山下レディースクリニック
FTと通水
2006年1月22日
以前、卵管造影の件では丁寧なお答えありがとうございました。
今月はHMGとこれから通水して2回目のAIHの予定です。先生から、やはり卵管があやしく、通りが悪いのは確実なのでFTを勧められました。確かに卵管造影も、前にした通水も座薬を使っても激痛で、通水では通常40mlのところ15mlでやめました。卵管造影のレントゲンでは、注入直後では卵管もきちんと映っていますが、10分後は卵管采のあたりで造影剤が限局しており、拡散不良のように見えます。右の卵管は前後に延びています。ただ、先生は卵管采の癒着や周囲の癒着は分からないとおっしゃいますが(今までは卵管は一応通っているといわれていました)・・・。FTをすると卵管内の狭窄は治療できると思いますが、もし卵管采に詰まりがあったり、卵管周囲に癒着があった場合はFTでは治療できないのでしょうか?その場合は腹腔鏡手術でしか治療はできないのですか?逆に、腹腔鏡手術でも卵管内の狭窄を広げることはできますか?体の負担はFTの方が少ないみたいなので、FTで問題が解消できればいいのですか。このような状態でAIHを続けるべきか、それともIVFにしたほうがいいのか悩んでいます。
また、通水についてですが、今回は痛くても40ml入るまで我慢するつもりですが、我慢して卵管が破裂することってありますか?前回はかなり抵抗もあったようです。通水を繰りかえすことで、FTのように狭窄を広げることはできますか?
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
卵管鏡は私は自分でやったことはないので、えらそうに申し上げる立場にはありませんが、文献的にいわれているのは
卵管鏡で観察したり、治療したりできるのは子宮卵管口から
卵管の長さの3分の1くらいのところまでといわれています。
卵管さい側の3分の2に関してはあまり効果ないということでしょう。卵管さいの癒着をとるのはもちろん無理でしょうし、卵管周囲の癒着はお腹のなかからしかアプローチできません。
あと、通水でぎゅーぎゅー圧をかけて、本当に卵管がゴム管のように広がるのか、そして、ちょっとでも広がった方が卵が通りやすいのか、ちゃんとした証拠はありません。
卵管の径は数ミリ、卵の大きさは0.1mmでもともと全然違うということを考えても、どうなんでしょうか。
お腹のなかを評価したり、癒着をはがしたりということであれば
腹腔鏡でしょうが、これも機械的な癒着をはがすことと、
卵管が卵管として機能するかどうかはまた別の問題という見解もあります。これらの方法で卵管が使えるようになる可能性ももちろんあるでしょうが、具体的に何%なのかというのはなかなかいえないでしょうし、確実性が高い方法を追求すれば
卵管は使えなくても関係ない体外授精とは思います。ただ、いろいろな考え方がや状況がありますし、この場合IVFが一番ですよ、ということではありませんが。
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