山下レディースクリニック
ピックアップ障害について
2010年3月15日
お世話になります。
以前も何度かご質問させてもらったのですが…
原因不明の2人目不妊です。
治療も3年目になりました。前周期その前の周期ともにホルモン値が良かったにもかかわらず妊娠には至らず、主治医からこんなに条件が良くて妊娠しないとなるとピックアップ障害も考えられると言われました。
ピックアップ障害の場合、やはり自然妊娠は無理なのでしょうか?まれに運よくキャッチされることがあるというような事も聞いたことがありますが…
一度に複数排卵させればキャッチされる確率は上がりますか?
ピックアップ障害について調べていた時にOUT法というのを見つけました。ただされている病院があまりないようなのですがそんなにいい治療法ではないのでしょうか?
先生の病院ではされていますか?もしされているなら費用はどれぐらいでしょうか?
おっしゃるように排卵誘発剤を使って複数個排卵させることで、ピックアップ障害をカバーするという考え方はありますが、着床にいたる受精卵の数を調整できないので、多胎妊娠予防という観点からは体外受精のほうが安全です。
体外受精のプロセスにおいて、母体側にもっとも負担がかかるのは、やはり卵子を体外に取り出す「採卵」の段階でしょう。OUT法は、夫婦生活を持った翌日に採卵を行い、得られた卵子をそのまま子宮に戻すというもので、「採卵」が必要であることには変わりはありません。しかも、果たして受精したのかも、受精卵が胚盤胞まで分割できているのかも確認できないのです。このような理由から、現在、OUT法を行っている不妊治療施設はほとんどないと思われます。
最近のARTの培養技術はたいへん高く、安全性も確立されていますので、OUT法よりは、受精卵のグレードや生命力が確認できる体外受精を検討されることをおすすめします。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
なお、この相談事例集により万が一不都合、不利益を被った場合でも、
回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
3年半にわたった体外受精の後41歳で妊娠に至りました。途中で流産も経験し負けそうにもなりましたが、とにかく自分の体を信じて、山下先生を信じて治療を続けました。治療の他にも色々と体に良いことは試しましたが何よりよかったのは自分を責めず、いたわること、そして自分の体を信じることだと思います。どうか皆様常に前向きに希望を持って頑張って下さい。
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