山下レディースクリニック
卵管の癒着について
2009年5月20日
初めて質問させて頂きます。
先週両側チョコレートのう腫の腹腔鏡手術を受けました。
その際、主治医から卵管が両方とも癒着していて特に左側は癒着がひどくて状況確認ができないくらいだったと言われました。
妊娠を希望するなら体外受精を考えた方がよいとのことでしたが、卵管が癒着しているということは卵管が通っていないということなのでしょうか?
卵管造影検査をしても意味はないのでしょうか?
現在37歳で10歳の娘が一人います。年齢的にもあと1、2年のうちにできれば妊娠できたらと思っています。今まで不妊治療は受けたことがありません。
お忙しい中申し訳ありませんが先生のご意見を伺いたいのでよろしくお願いいたします。
実際に、腹腔鏡検査の結果を見ている訳ではありませんので、はっきりしたことは申しあげられませんが、卵管が周囲と癒着していて も、通過性だけは保たれている場合もあります。腹腔鏡検査では、通常、着色した水を子宮側から送り込み、卵管の先から出てくるかどうかをみて卵管の通過性を評価します。通過性はどうだったのか、卵管周囲の癒着を剥がす処置は難しい状況 だったのかを、再度、担当医に確認してみられてはどうでしょうか?
ただし、癒着がひどく、卵管の動きが非常に悪い場合は、卵巣から排卵される卵子をうまく卵管内にピックアップできないという 問題が起こりえます。卵管内に卵子をとり込むことができなければ、たとえ通過性が保たれていても、自然妊娠はありえないのです。体外受精をおすすめになったということは、あるいはそのような事態が 懸念されるほど、癒着が深刻な状況だったのかも知れませんね。
10歳のお子さんがおられるとのこと。いつ頃からお二人目を望んでおられたのかがわかりませんが、もしも10年近く二人目不妊の状況にあられたのだとすると、かなり自然妊娠しにくい状態であると推察されます。その原因の一つが、この卵管周囲癒着であった可能性も低くないでしょう。ご年齢や、重度の子宮内膜症であったことなどを考えれば、早めに体外受精にチャレンジされるのが賢明かも知れないですね。
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