山下レディースクリニック
メルビンについて
2008年6月11日
最近、不妊専門の病院に転院して血液検査の結果が出ました。
以前の病院で多嚢胞と言われていたので、今回の血液検査でもLHは高かったです。
その他、FSH、E2、PRL、テストステロン、DHEA−Sは正常でした。
後は、クラミジア検査でIgG抗体が高かったので、過去に感染経験があるだろうということでした。
っで本題なのですが、その血液検査でインスリンが高いということでメルビンを処方されました。
ネットでちょっと見てみたら多嚢胞の人がメルビンを飲むことによって、排卵がしやすくなるとか…
でも、メルビンという薬は糖尿病薬と書いてあったのですが、
糖尿病になっているということなのでしょうか?
それとも糖尿病になる可能性が高いのでしょうか?
またネットに「糖負荷試験」というのが書いてあって、それはやってないのですが、やらなくてもいいものですか?
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方の中には、男性ホルモンが高めの方がいらっしゃいます。
また、PCOSの方はインシュリンへの抵抗性を示す場合も多く、このためにインシュリンが過剰に分泌されるようになります。インシュリンが増えると卵巣内の男性ホルモンの産生量が上がるのですが、これが排卵に悪影響を与えているのではないかと考えられています。
糖尿病は、必要な量のインシュリンが分泌されない、もしくは分泌される速度が遅い病気です。
PCOSに糖尿病治療薬の『メルビン』が用いられるのは、この薬にインシュリンへの感受性を高める働きがあるからです。感受性が高まれば、過剰にインシュリンが分泌されることもなくなりますので、間接的に男性ホルモンが過剰に産生されることもなくって、排卵障害が改善されることを期待しているのです。
PCOSと糖尿病は、異なる病気ですが、この二つが合併するケースも報告されています。因果関係はよくわかっていませんが、糖尿病の初期症状がないかどうかを気をつけておかれるのはいいことだろうと思います。
<ご注意>
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