山下レディースクリニック
抗精子抗体について教えてください
2007年10月16日
はじめまして。
生理不順で、卵が育たず排卵誘発剤を服用しています。
今日病院へ行くと、今回は排卵していたので、内膜を厚くする為の「ルトラール」が出されました。
その後に、抗精子抗体の結果をまだ教えてもらっていなかったので確認すると、結果は出ていて「陽性」と言われました。
医師からは「自然妊娠は難しいので、次の周期からAIHにしましょう」と言わました。
今回の排卵前のフーナーテストは良好でした。
それでも、抗精子抗体が陽性だと自然妊娠は不可能ということ
でしょうか?
SIV値が6.41で、抗精子抗体が3.0Hでした。
この結果は、どの位の状況なんでしょうか?
お忙しい所恐れ入りますが、ご回答よろしくお願い致します。
『てぃあら』さんは、抗精子抗体が陽性だったとのこと。
SIV値を調べられたようですので、検査方法は、あなたの血清に検査用の正常精子を混ぜ、どの程度、精子の運動率が落ちるかをみる『精子不動化試験』でしょう。
SIV値2とは、運動率が2分の1になったことを意味し、2以上が抗精子抗体陽性と診断されます。てぃあらさんのSIV値は6.41とのことですので、精子の運動率が約6分の1まで低下したということを意味し、やはり抗精子抗体は陽性だということになります。SIV値が20.01以上の強陽性の方などは、この抗精子抗体のみが絶対的な不妊原因になっている場合も多く、大半の方が体外受精を受けると初回で妊娠されます。
抗精子抗体は、頚管粘液内だけでなく、卵管液内でも精子に悪影響を与える可能性がありますので、まったく問題ないとは断言できませんが、それでもフーナーテストの結果が良好だったのであれば、私は自然妊娠される可能性もあると考えます。
ただし、抗精子抗体の抗体価は、たいへん変動が激しいので、定期的に精子不動化試験を受けられたほうがよいでしょう。またフーナーテストで、何度も悪い結果が続くような場合も、同様です。これ以上、SIV値が上がっているようならば、程度に応じて、AIH(人工授精)や体外受精を選択することをおすすめします。
なお、てぃあらさんがタイミング療法を行ってきた期間やお二人の年齢ならびに不妊期間によっては、「いずれにせよAIHへの踏切どきである」というケースも考えられます。主治医の先生と、よく相談されてみてください。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
なお、この相談事例集により万が一不都合、不利益を被った場合でも、
回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
©山下レディースクリニック