着床しない …子宮内膜の厚み、粘膜下筋腫、子宮内ポリープ、子宮形態異常などのQ&A
腺筋症の治療中です。
2007年10月25日
子宮腺筋症のため先日からナファレリール点鼻薬を使用しています。説明書にピル以外で避妊するように書かれてたのですが治療中でも妊娠の可能性はあるのでしょうか
子宮内膜症や子宮腺筋症の治療には、手術療法や低用量ピル（偽妊娠療法）、ダナゾール製剤などを用いる方法もありますが、『さくら』さんの場合は、ＧｎＲＨアゴニスト製剤（ナファレリール点鼻薬など）を使って治療されているのですね。これは、ＧｎＲＨアゴニスト製剤を長期間（４～６カ月）投与し続けることで、間接的に子宮内膜様組織（病巣）を増殖させるエストロゲン（卵胞ホルモン）を抑制し、病巣の縮小を目指す治療方法です。使用期間中は、排卵が起こらない閉経のような状態にすることから、偽閉経療法とも呼ばれています。
つまり基本的には、排卵も起こらず、妊娠もありえない状態なのですが、ごくまれに排卵を完全に抑えられないケースがある（使用開始直後のみ）ので、念のためにホルモン剤（ピル）以外の方法で避妊しておいたほうが安全でしょう。妊娠に気がつかずにＧｎＲＨアゴニスト製剤を長期間使い続けることで、流産したり、赤ちゃんに異常が出たりする可能性があります。
なお、ＧｎＲＨアゴニスト製剤は、のぼせや頭痛といった更年期障害に似た副作用が出ることがあります。また、骨量が低下し、骨粗鬆症になる危険もありますので、子宮内膜症や子宮腺筋症のために、ＧｎＲＨアゴニスト製剤による治療を繰り返し受けることはおすすめできません。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
なお、この相談事例集により万が一不都合、不利益を被った場合でも、
回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
